データをビジネスモデルの根幹へ

データ分析の寺子屋として事業をスタートした分析屋本舗ですが、昨今、「データ分析をしても収益に結び付かない」という悩みや「分析結果をなかなか施策に活かせない」というご相談をたくさんいただきます。

前提として、データは万能ではありませんし、分析モデルは、市場や事業の全てを表現しているわけでもありません。その不完全性をどのように取り扱い、意思決定していけばよいのか、日々、悩んでいる経営者やマーケターの方々は多いのではないでしょうか。

私自身、ITメディアと飲料メーカーという、ビジネスモデルから社風、データに対する価値観や活用方法まで、全く異なる2つの事業会社での経験を通して、データをビジネスのコアバリューに持っていくことの難しさを痛感しました。

では、なぜ、収益に結びつかないのか、施策に活かせないのか、その原因は、データそのものの問題でも分析手法の問題でもありません。それは、往々にして、分析設計と施策接続の問題に集約されます。

分析設計とは、分析を始める前にアウトプットイメージを具体化し、それに合わせて、変数を定義し、分析プロセスを設計することです。一方、施策接続においては、どのような結論であったなら何を実行するのか、という具体的な判断基準を持ち、実行可能性を事前に見立てておくことが重要となります。残念ながら、現在のAI技術はこれらのタスクを自動化してはくれません。

これらを曖昧にしたまま場当たり的に分析を進めると、ふわっとした理想ともやもやした分析結果の現実とのギャップをいつまでも埋められず、”分析のための分析”を繰り返す、という悪循環に嵌ってしまいます。

データの不完全性を理解しながらも、市場や事業の状況に照らし合わせて分析設計や施策接続を実行する、これはもはやデータ・サイエンスの専門家の領域を超えています。しかし、このハードルを乗り越えないことには、データがビジネスの根幹になることはありません。

このような背景から、分析屋本舗は、単なる分析の作業代行ではなく、ビジネス課題をお客様と一緒に考え、分析の専門家、事業のプロ双方で喧々諤々と議論を煮詰めて、共に解決していく、真の事業パートナーでありたいと思っています。

データ・サイエンスのビジネス装着を通して、一つでも多くの社会課題を解決していけるよう、邁進していきますので、引き続き、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

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代表取締役　吉永　恵一